ASP(Application
Service Provider)概要
ASPの定義
利用者がインターネットを利用して、提供者のサーバーへアクセスし、ソフトを利用すること。
誕生の背景
従来のシステムは、ホストコンピュータシステムに代表されるように、集中処理型でありました。それは、システムを集中して管理することでプログラムやデータの共有、ハードウェア、ソフトウェアの標準化などが行われる。という反面、頻繁なシステムの変更には不向きな構成だったため、クライアント・サーバーシステムに代表される分散型へ移り変わりました。しかし、クライアント・サーバーシステムは、各地域、会社であるならば、各支店にサーバーを設置して処理を分散するというシステムのため、同じシステムやデータを複数の支店に配置しなくてはならないという資源の重複や、運用管理の対象を分散させてしまうために生じる運用コストの増大を問題として抱えることになりました。
その後、企業では、これらの問題を解決するためには、アウトソーシングであるということに注目があつまり、システムの管理者は専門のアウトソーサーに任せる方向に進みました。こうした背景で、ASPのシステムモデルは、誕生しました。
狭義のASP(汎用的ASP)
ソフトが利用者個別にカスタマイズされずに、提供されるサービスのこと
広義のASP(個別ASP)
ソフトが利用者個別にカスタマイズされ、提供されるサービスのこと
ASPのメリットの本質
ASP利用のメリットは、直接的なコストの削減というよりも、全体的なコストの削減とシステムを他へ流用することによっての収益の増大です。
ソフトウェアの強化や拡張、ハードウェアの運用・保守・更新は、ASP事業者側で行います。したがって、システムの陳腐化を気にすることなく、常に最新のバージョンのソフトとハードを利用することができます。
従来型のSIとASPの比較
SI型のシステムは、システム導入時にシステムの設計およびハードウェア、ソフトウェアの購入が必要です。また、サーバー管理やデータのバックアップなどの運用管理作業とハードウェア、ソフトウェアの保守も必要です。
それに対し、ASP型のシステムは導入時におけるハードウェア、ソフトウェアの購入や運用・保守の作業はASP事業者が行います。ただし、SI型システムにおいても、システムの運用管理作業をアウトソーシングする場合もあり、基本的にSI型システムとASPシステムの違いは、システム自体が資産かそうでないかの違いにあります。
さらに、詳しく!という方は、
社団法人日本情報システム・ユーザー協会による
「平成12 年度・ASP
研究部会報告書」(PDF形式)をご参照下さい。
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